北海道に暮らすシマフクロウの数は、およそ160羽(R1)です。同じ大地にヒトは約552万人(H22)。体も大きく、食物もエネルギーも大量に消費するヒトが、シマフクロウの4万倍も多い計算になります。 なぜ、シマフクロウはこんなに数が少ないのでしょう?
食物連鎖の頂点に立つシマフクロウ。このピラミッドの上に立つものほど、利用できる食物量が限られ、数が少なくなる原則があります。つまり、もともと数が多くない鳥なのです。 それでも、かつては北海道中に暮らしていたといわれています。今では、一部の地域にごく少数がひっそりと暮らしています。やっぱり数は減っています。その理由を理解するためには、シマフクロウのことをよく知る必要があります。
ハルゼミが鳴く初夏の森。幼鳥の時期、親鳥は日中も餌捕りに出かけます。
日中はあまり動かず遠くから見ると木のこぶのように見えます。のんびりしているように見えて、周囲への警戒は怠りません。
少し離れたところでオスが2声鳴くと、間髪入れずメスが一声答えます。鳴く時、のどを大きくふくらませ、その声は森に大きく響きわたります。
まだ飛べない幼鳥の近くでいつも見守る平和なひととき。