NPO法人
シマフクロウ・エイド

シマフクロウとは

なんでへってしまったの?
江戸時代末期のアイヌモシリ(上)と現代の北海道(下)の自然環境の変化
江戸時代末期のアイヌモシリ(上)と現代の北海道(下)の自然環境の変化

(西川ほか、1995による:(上)有薗正一郎、(下)氷見山幸夫作製)
※アイヌモシリとは:「静かな人間の大地」という意味でアイヌ民族の言葉で北海道を意味します

『自然のメッセージを聴く-静かな大地からの伝言』北海道新聞社刊より
資料提供:北海道大学大学院地球環境科学研究院教授 小野有五氏

シマフクロウは、なぜこんなに数が減ったの?

 左の図は、明治政府による北海道の植民地化が始められる直前(1850年代)のアイヌモシリ。右の図は、現代(1980年代)の北海道の土地利用の変化を比較した図です。
 これらを見ると、わずか130年余りの間に、平地と森林を結んでいた広葉樹林がすっぽりと田畑に変わったことがわかります。高い山から徐々に集まった水は川となり平地に行くにしたがい大きな流れになります。栄養分を含んだ川の周辺は、木々が生い茂り、多くの生き物の暮らしの場でした。

 シマフクロウもそこで暮らす生きものです。主食は魚。昆虫や小動物など他の生き物も食べながら命をつないでいます。多様な生物が暮らす環境があることで暮らせます。

 本来、川をなぞるように河畔林という水辺を好む木々が環境を構成しています。シマフクロウは深山幽谷に暮らす鳥ではありません。河畔林や周辺環境を利用しながら「食」と「住」がまかなえる範囲を自分のテリトリーとします。すっぽりと無くなってしまった場所は、まさにシマフクロウの暮らしの場でした。シマフクロウが繁殖に欠かせない営巣木とりわけ大木が激減しました。河川に豊かな栄養を供給できる河畔林が激減したことにより、川本来の姿は変わり、シマフクロウの主食である魚がいる川も激減しました。人間社会優先で行った大規模な開発によって、多くの広葉樹林帯が消滅しました。
私たち人間の少し前の歴史が生態系全体に大きな影響を与えていました。
近年多大な農業被害を及ぼしているエゾシカの異常増殖も、森林の減退により生態系の バランスを欠いた結果の一例です。

「木を切りすぎると、地球が熱くなっちゃうんだよねー」ということは子供でも環境学習で学んでいます。多くの人がわかっています。
シマフクロウには、環境省の監督下のもと繁殖を一時的に補助する巣箱や、餌となる魚を放流する専用給餌池を設置しています。この「仮設住宅」と「配給」は、緑の回廊が復活し、それによって川の魚も復活するまでの、あくまでも補助的な活動です。
現在は、各地で民間や漁協・農協・自治体・企業などによる植林が増えてきています。
遠くの関係ないことと思っていた 森の存在が私たちの暮らしに密接だった、大切であった このことに気づき 行動する人の輪が 面となって 広がっていき次世代に引き継がれていくことをを願っています。


危険と隣り合わせ (死亡原因)

危険と隣り合わせ (死亡原因)

 シマフクロウは人里はなれて暮らす鳥ではありません。そのため、交通事故で命を落とすことがあります。多くのケースは、魚を求め川沿いを飛んでいる時に起こっています。橋を低い位置で飛び越えようとし、走ってきた車にぶつかるのです。雨の夜、道路上のカエルを捕まえようとし、車にはねられることもあります。
 また、感電事故もあります。電柱を止まり木に使っているうち、翼が電線に触れるのです。
 シマフクロウをこれ以上減らさないためには、成熟した鳥を死なせないことが重要です。

ちょこっと知識(事故防止)

ちょこっと知識(事故防止)

 橋での交通事故は、シマフクロウが高く橋を飛び越えるようにすれば防げます。川岸の木が成長した川に架かる橋では、交通事故が見られません。本来の川の姿を取り戻せば、事故は防げます。
 感電事故には、電柱に止まり木をつける方法が有効です。翼を広げても電線に触れません。これはオオワシやオジロワシなどの大型の猛禽類の感電死も防ぎます。